令和7・8年度の防衛モニターとして、航空自衛隊小松基地で行われた特別見学会に参加しました。
今回は、小松基地広報班をはじめ、各部隊・関係部署の皆様のご協力により、滑走路周辺や各部隊の施設など、普段は立ち入ることのできない場所を見学させていただきました。
戦闘機だけでなく、消防・救難、基地防空、航空交通管制など、小松基地の任務を支える幅広い業務について学ぶ、大変貴重な機会となりました。
自衛隊機と民間航空機が行き交う小松飛行場




最初に、滑走路に近い場所から、自衛隊機や民間航空機が離着陸する様子を見学しました。
小松飛行場は、航空自衛隊小松基地と小松空港が滑走路を共用しているため、戦闘機と民間航空機が同じ飛行場を行き交います。
目の前を航空機が通過するたびに、大きなエンジン音と振動が伝わってきます。普段、空港の展望デッキなどから眺めるのとは異なる距離感で、航空機の迫力を全身で感じることができました。
小松管制隊では、自衛隊機と民間航空機の双方に対して航空交通管制業務を行っています。
性質や運航目的の異なる航空機が、安全な間隔と順序を保ちながら離着陸する小松飛行場ならではの光景を見ることができました。
基地内での体験喫食

基地内では、隊員の皆様が普段利用している食堂で体験喫食をさせていただきました。
航空自衛隊の任務を支えているのは、航空機の操縦や整備に携わる隊員だけではありません。
食事をはじめとした生活面での支援も、隊員が日々の任務を遂行するために欠かせない重要な仕事です。
体験喫食と休憩を挟んだ後、各部隊の見学へと向かいました。
第303飛行隊で最新鋭戦闘機「F-35A」を見学
最初に見学したのは、第6航空団飛行群第303飛行隊です。
第303飛行隊では、2025年4月から小松基地への配備が始まった、最新鋭の主力戦闘機「F-35A」を間近で見学する機会をいただきました。
F-35Aは、高いステルス性能と高度なシステムを備えた戦闘機です。第303飛行隊では、これまで運用してきたF-15からF-35Aへの機種更新が進められています。
今回の見学に当たっては、事前に戸籍謄本を提出するなど、厳格な確認手続きが必要でした。
それだけに、普段は立ち入ることのできない場所で、F-35A独特の機体形状や存在感を間近に感じられたことは、非常に印象深い経験となりました。
写真や映像で見るだけでは分からない機体の大きさや質感を、自分の目で確かめることができました。
施設隊が担う基地の維持と消防・救難

続いて、第6航空団基地業務群施設隊を見学しました。
施設隊は、基地施設の維持・補修や除雪、災害などによる被害からの復旧を担っています。
さらに、航空機事故などに備えた消防・航空機救難も、施設隊の重要な任務です。
今回は、航空機火災などに対応する「大型破壊機救難消防車」を見学しました。
大型破壊機救難消防車は、航空機事故が発生した際に、迅速な消火活動や人命救助を行うための特殊な消防車両です。
車体の大きさだけでなく、過酷な状況下での活動を想定した装備の数々から、航空機事故に備える現場の緊張感が伝わってきました。
消防隊員の防火衣を試着

見学では、消防隊員が消火・救難活動の際に着用する防火衣も試着させていただきました。
実際に身に着けてみると、想像していた以上に重く、自由に動くことも簡単ではありません。
この装備を着用したまま、炎や煙、高温にさらされる現場で迅速な消火・救難活動に当たる隊員の皆様の大変さを、ほんの一端ながら実感することができました。
装備を身に着けているだけでも体力を消耗します。そのうえで周囲の状況を判断し、人命救助を行うためには、日頃からの厳しい訓練と高い専門性が必要です。
大型破壊機救難消防車による迫力の放水
大型破壊機救難消防車による放水も、間近で見学しました。
大量の水が勢いよく放たれる光景は、想像していた以上の迫力でした。
航空機火災では、一刻を争う対応が求められます。万が一の事故が発生した際に、確実に装備を稼働させ、迅速に活動するためには、日頃からの点検や整備、訓練の積み重ねが欠かせません。
迫力ある放水を見学すると同時に、事故に備えて常に準備を続けることの重要性を改めて感じました。
第6基地防空隊で基地防空用SAMを見学
その後は、同じく基地業務群に所属する第6基地防空隊を見学しました。
第6基地防空隊は、基地に対する航空攻撃などに備え、航空機が活動する拠点を直接守る部隊です。
今回は、基地を防護するための装備である「基地防空用地対空誘導弾」、通称「基地防空用SAM」について説明していただきました。
目標の捜索や追尾などを行う射撃統制装置のレーダーをはじめ、発射装置や誘導弾を間近で見学しました。
それぞれの装置が連携し、接近する目標を確認して基地を防護する仕組みについて学びました。
戦闘機が任務を遂行するためには、航空機や操縦者、整備員だけでなく、その活動拠点となる基地を守る部隊と装備が欠かせません。
飛行場や施設が安全に機能して初めて、航空機は任務に就くことができます。基地防空隊の説明を通じて、基地全体を守ることの重要性を改めて実感しました。
小松管制隊から眺める滑走路
最後に訪れたのは、航空保安管制群小松管制隊です。
管制塔から、自衛隊機と民間航空機が離着陸する滑走路を眺めながら、管制官と航空機の間で交わされる無線交信を聞かせていただきました。
目の前で航空機が動いていく様子と、冷静かつ的確に交わされる無線交信が重なり、空の安全が一つひとつの指示と確認によって守られていることを実感しました。
戦闘機が離陸する瞬間も、民間航空機が着陸する瞬間も、管制官の皆様が飛行場全体の状況を把握しています。
航空機の位置や進行方向を確認し、安全な間隔と順序を保ちながら、それぞれの航空機を導いていました。
普段、私たちが空港の展望デッキなどから眺めている光景の裏側では、常に緊張感を伴う航空交通管制業務が行われています。
航空機の安全な運航を支える管制官の仕事を間近で見学し、大きな感動を覚えました。
多くの職種と部隊が連携して小松基地を支えている
今回の特別見学会を通じて、航空自衛隊の任務は、戦闘機の操縦や航空機の整備だけではないことを改めて学びました。
基地施設の維持・補修、消防・救難、基地防空、航空交通管制、給食をはじめとした隊員の生活支援など、小松基地では多くの職種の隊員が勤務しています。
それぞれの隊員が専門性を発揮し、部隊や部署の垣根を越えて連携することで、基地の機能と日々の任務が支えられています。
私たちが目にする戦闘機の離着陸も、その背景にある多くの方々の仕事によって成り立っていることを知りました。
貴重な見学の機会に感謝

このような貴重な機会を設けてくださった小松基地広報班をはじめ、第303飛行隊、施設隊、第6基地防空隊、小松管制隊、その他関係各所の皆様に、心より御礼申し上げます。
各部隊の任務や装備について、丁寧に説明していただき、航空自衛隊小松基地への理解をより一層深めることができました。
今回学んだことを、防衛モニターとして、今後も自分なりの言葉で多くの方に伝えていきたいと思います。
※掲載している写真は、撮影が許可された区域および方向から撮影したものです。せっかくの機会でしたが、写真を確認したところ、なぜか民間航空機の写真ばかり撮影していました。ご了承ください。
