2026年8月4日(火)、石川県小松市にある航空自衛隊小松基地で行われた「オープンベース」に、令和7・8年度防衛モニターとして参加してきました。
今回のオープンベースは一般公開の航空祭とは少し趣が異なり、航空自衛隊への入隊を希望している、あるいは将来の進路のひとつとして検討している学生とその保護者を対象とした基地見学です。京都府、福井県、石川県、富山県から参加者が集まり、私たち防衛モニターや基地モニターは、その皆さんと一緒に基地内を回りながら、見学の様子を拝見させていただきました。
航空祭では戦闘機の機動飛行など、航空自衛隊の迫力ある一面を見ることができますが、今回のオープンベースで中心となったのは、そこで働く「人」と「仕事」、そして基地での「生活」です。航空自衛隊への就職を考える学生にとって、実際の職場を自分の目で見て、現役の隊員から直接話を聞ける貴重な機会となっていました。
隊員が生活する隊舎から見学スタート
この日の見学は、隊員が日々生活する隊舎などの施設見学から始まりました。
戦闘機やヘリコプターというとどうしても華やかな部分に目が向きますが、自衛官も当然ながら、基地の中で食事をし、休息を取り、日々の生活を送りながら任務や訓練に臨んでいます。普段の航空祭ではなかなか知る機会のない、隊員の生活に近い部分を見ることができるのも、こうしたオープンベースならではです。
航空自衛隊への入隊を考えている学生にとっては、「どんな飛行機に乗れるのか」「どんな仕事ができるのか」と同じくらい、「実際にどのような環境で生活するのか」も気になるところでしょう。パンフレットやホームページだけでは分かりにくい部分を、実際の施設を見ながら確認できることには大きな意味があるように感じました。
隊員食堂で体験喫食、この日の昼食はカレー


施設見学のあとは、隊員食堂での体験喫食です。この日のメニューはカレーでした。
トレーにはカレーライスを中心にサラダや副菜などが並び、私たちも学生や保護者の皆さんと一緒にいただきました。基地で実際に勤務している隊員の皆さんが利用する食堂で食事をいただくと、単なる基地見学ではなく、ほんの少しだけ航空自衛官の日常にお邪魔させてもらっているような気分になります。
もちろん、しっかり美味しくいただきました。
戦闘機を目の前にしたときとはまた違う意味で、こうした日常の部分を体験できることも今回のオープンベースの魅力だったと思います。
格納庫やエプロンへ、航空自衛隊の仕事を間近で見学



午後からは格納庫やエプロンなどへ移動し、自衛隊機や関連車両、装備品などを見学しました。
小松基地は、日本海側で唯一の戦闘航空団が所在する航空自衛隊の基地です。第6航空団飛行群には第303飛行隊と第306飛行隊があり、それぞれF-15戦闘機を運用しています。第303飛行隊は「ファイティングドラゴン」、第306飛行隊は石川県の県鳥・イヌワシをモチーフとした「ゴールデンイーグル」の部隊マークでも知られています。
今回は、その第303飛行隊と第306飛行隊のF-15を、本当に目の前という距離から見学させていただきました。
航空祭でもF-15を間近で見ることはできますが、安全管理や展示方法の関係から立ち入りのできる範囲は限られています。今回は隊員の皆さんから説明を受けながら、許可された範囲で機体に触れることもできました。
機首を正面から眺めたり、機体の側面や後方へ回ったり、脚まわりや機体下面をのぞき込んだり。遠くから眺めているだけでは気づかない機体の大きさや複雑な構造、細かな注意書きの数々まで目に入ってきます。
写真を撮るのが好きな私としても、これほど近い距離からF-15を見ることのできる機会はそうありません。学生や保護者の皆さんのためのオープンベースなのですが、気がつけば私自身もしっかり楽しませていただいていました。
小松救難隊のUH-60J救難ヘリコプターも間近に


もうひとつ印象に残ったのが、小松救難隊のUH-60J救難ヘリコプターです。
小松救難隊はUH-60J救難ヘリコプターやU-125A救難捜索機を運用し、航空機乗員の捜索・救助を主任務として待機しています。また、必要に応じて山岳遭難や海難などの捜索救助、急患輸送をはじめとした災害派遣にも対応する部隊です。
今回の見学では、そのUH-60Jをすぐ目の前で見ることができました。
大きなメインローター、機体側面の装備、操縦席などを近くから見ると、空を飛んでいる姿とはまた違った迫力があります。さらに周囲には救難活動を支える車両なども並び、一機のヘリコプターを飛ばし、任務を遂行するために多くの隊員や職種が関わっていることも実感します。
航空自衛隊というと、どうしても「パイロット」や「戦闘機」のイメージが先に浮かびます。しかし実際には、航空機を整備する隊員、救難に携わる隊員、基地の運用を支える隊員など、数多くの仕事があります。学生の皆さんにとっても、実際の装備品を見ながら隊員から説明を聞くことで、自分が将来携わってみたい仕事を考えるきっかけになったのではないでしょうか。
パイロットの皆さんとも記念撮影

この日はパイロットの皆さんも多数参加され、学生や保護者からの質問に答えたり、一緒に写真を撮ったりしていました。
私たちもせっかくの機会ということで、UH-60Jの前で隊員の皆さんと記念撮影(自分が写っている写真は恥ずかしいので、隊員の皆様の写真を掲載します)。
……学生以上に盛り上がっていたような気がします(笑)。
さらにF-15のそばでは、パイロットの方から機体について直接説明していただく場面もありました。第一線で任務に就いている方から直接お話を伺えるというのは、何度基地を訪れても貴重な経験です。
戦闘機の性能や装備だけではなく、その機体を操縦する人、整備する人、飛行を支える人がいて初めて任務が成り立っています。こうして隊員の皆さんと顔を合わせて話をすると、航空自衛隊をこれまで以上に「人の集まり」として身近に感じることができます。
民間航空機と自衛隊機が行き交う小松らしい光景


エプロンでの見学中には、民間航空機が離着陸する姿も見ることができました。
目の前にはF-15やUH-60J、その向こうを旅客機が離着陸していく――。こうした光景も、小松で航空機を眺めていると印象に残る場面のひとつです。
戦闘機を眺めていたと思えば、次の瞬間には旅客機が飛び立ち、そのあとには再びF-15が動き始める。航空機好きにとっては、なかなか目が離せない時間が続きました。
航空自衛隊を「職場」として知るオープンベース



今回のオープンベースに参加して印象的だったのは、単に航空機を見せるイベントではなく、航空自衛隊という組織を「職場」として知ってもらおうという内容になっていたことです。
隊員が生活する施設を見学し、同じ食堂で食事をいただき、実際に使われている航空機や車両を見て、そこで働く隊員の皆さんから直接話を聞く。
学生の立場で考えれば、どれも将来の進路を考えるうえで大切な情報です。
航空自衛隊にはパイロットだけではなく、航空機整備、救難、管制、気象、通信、警戒、基地運用など、さまざまな職種があります。実際の現場を歩くことで、それまで知らなかった仕事に興味を持った学生もいたのではないでしょうか。
私自身、防衛モニターとしてさまざまな行事に参加させていただくなかで、航空自衛隊の任務を支えているのは、航空機そのもの以上に、そこで働く一人ひとりの隊員なのだと感じる場面が増えました。
若い皆さんが航空自衛隊を知るきっかけになれば

今回のオープンベースには、京都府、福井県、石川県、富山県から学生と保護者の皆さんが参加されていました。
航空自衛隊への入隊をすでに希望している人もいれば、まだ進路のひとつとして考え始めた段階の人もいたことでしょう。
実際の基地を訪れ、自分とそれほど年齢の変わらない若い隊員が働いている姿を見たり、パイロットや各職種の隊員から直接話を聞いたりする経験は、進路を考えるうえで大きな参考になったのではないかと思います。
日本の空を守る仕事には、大きな責任が伴います。一方で、数多くの専門職が力を合わせてひとつの任務を遂行する、航空自衛隊ならではの仕事の魅力もあります。
今回のオープンベースを通じて、参加した学生の皆さんが航空自衛隊の仕事を少しでも身近に感じ、「こんな仕事もあるんだ」「自分もやってみたい」と思うきっかけになったのであれば、防衛モニターとして見学させていただいた私としてもうれしく思います。
そして何より、学生と保護者のための見学会だったにもかかわらず、F-15やUH-60Jを目の前にして、誰より楽しんでいたのは私たちモニターだったかもしれません(笑)。
今回も貴重な機会を設けてくださった航空自衛隊小松基地の皆様、各部隊の皆様、そして丁寧に案内・説明してくださった隊員の皆様に、心より感謝申し上げます。
